若い過ち


 若いうちは誰しもが,過ちを犯すもの.それは誰もが認めるところでしょう.小さな子供の頃から,やがて自我が芽生え,親に反抗し,周りに反抗し,挫折し,1歩ずつ大人への階段を上っていく.若い者が過ちを犯せば,周りの大人たちがそれを修正してやる.誰もが道をそれることはある.それを温かい目で見守ってやるのが大人たちの役目.

 じゃあ,そんな若者がある日人を殺したなら.人を傷つけたなら.それも短絡的な動機で.金がほしかった,かっとした,むかついた,うるさかった・・・

 周りの大人たちはどう対処するべきなんでしょうか.温かく見守るべきでしょうか.愛を持って接するべきでしょうか?

 もちろん,一概に結論を出すことはできません.それぞれに動機も違うし,状況も違うからです.

 例えばあなたが親だとして,子供が他人を殺したとします.金がほしかったからという理由で.その時あなたは,裁判なり少年審判なりでどういう証言をするでしょうか?うちの子供は昔からまじめで,やさしく思いやりがあり,とてもそんなことをする子ではありません.どうかしてたんです.本当はいい子なんです.親思いのいい子なんです.なんとか情状酌量をお願いします.こんなふうに証言するんでしょうか.それとも,うちの子は甘ったれて,世間を甘く見てる.なおさら人様を殺したとあっては,お灸を据えてやらなければいけない.どうぞ,刑務所に入れてやって根性をたたきなおしてやってください.せめてもの罪滅ぼしに,なんて言うんでしょうか.

 例えばあなたが親だとして,子供が他人に殺されたとします.金がほしかったからという理由で.その時あなたは,どういう証言をするでしょうか?なんの罪もない子供を,あまりにも残虐非道な犯行で殺したことは,許しがたく,切に厳重な処罰をもって裁いてほしい.我々の苦しみは一生涯消えることはないのです.または,いいえ,うちの子にも落ち度はあったと思います.それに犯行を犯した少年はまだ若く,これからの将来もあります.確かに殺されたことは非常に悔しくにくいですが,その子の将来を奪うこともまたつらい.きっと反省してくれることと思います.罪を憎んで人を憎まずです,なんて.

 さてどうでしょうか?巷では少年法の改正やら,それに反対する声,また被害者の権利を見直す声などが上がっています.

 さあ,僕の意見はどうだと思いますか?って,別に興味ないか.まあね.

 どんな理由があれ,環境がどうであれ悪いことは悪いんです.日本の法律に基づく限り殺人はれっきとした犯罪なのです.許しがたい罪を犯したものは,たとえ年齢がいくつであれその責任を負うべきです.犯行を犯した少年には,不幸な環境があっただの判断能力がなかっただのほざく人もいますが,不幸な環境にある少年全員が殺人なんかしません.判断能力のない子供だってほとんどは殺人なんかしません.そんなことを理由に情状酌量をするのはばかげています.悪には断固として立ち向かうべきです.たとえ少年であっても自分の犯した罪の深さ,重さ,恐ろしさを実感させるためにも,厳罰主義で望むべきです.中途半端な温情で更正させようとしてもそんなの役に立ちません.徹底的に罪の重さを思い知らせるべきです.どんなに厳罰で臨んだって,その本人は生きているんやから.先があるんやから.被害者にとって,どんなに願ってもかけがえのない人は戻っては来ないんやから.そうでしょ?加害者の将来はどうなってもいいのか?はぁ?何を言ってるんやこのへなちょこやろう.被害者の将来はどうするんねん!前科のある少年たちを社会がどう受け入れるかはまた別の問題です.犯した犯罪にはそれなりの罰を与えるべきです.

 まったくの理由なしに殺される被害者の無念,遺族の無念,それに勝る要因なんてありません.その被害者の思いが一番に優先されるべきです.

  



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