バキューン! 


 子供(特に男子)の遊び.怪獣ごっこやウルトラマンごっこ(古いか?).いわゆる勧善懲悪(?)ものの遊びが問題になっているという,記事を見かけました.
 要するに,幼い子供にそういった遊びをさせるのは危険だと.暴力というものが幼い頃から浸透してしまって,当たり前のことになってしまうと.その反対意見としては,そういった遊びを通して暴力の痛さを知り手加減を知る.なんでも最初から禁止するのではなく,経験をさせてそれによって学ばせるほうが良い,など.

 なるほど.皆さんはどういう意見をお持ちですか?僕の子供時代を振り返ってみると,そういった遊びをあんまりしてこなかったような気がします.小学校に入ると町内会のソフトボールに明け暮れていたし,学校でたまにプロレスごっこをしたくらいでしょうか.あまり勧善懲悪の対決ものの遊びはしてなかったような・・・そう,あの当時ファミコンなるものが発売され,子供の遊びが一気に変革を迎えた時期でもあったのです.みんなはテレビ画面のマリオに夢中になり,放課後はファミコンを持ってる家に集まって遊ぶという形態が出来上がりました.僕の親はファミコンをなかなか買ってくれなかったので(小4に買ったかな?),もっぱら友達の家に上がりこむ派でした.

 あのゲーム機の登場で,テレビ画面を通して勧善懲悪の遊びができるようになった.友達を悪に見立てなくてもテレビ画面によりリアルな悪者が登場する.実際の遊びではできないような,多種多彩な攻撃ができる.空を飛ぶこともできる.僕としてはやっぱりファミコンの登場が世の子供達の生態を激変させた一番の要因だと思います.おのずと,他の人間とのかかわりが必要でなくなってきました.かぎっ子でも家にファミコンがあれば退屈しない.

 最近の少年犯罪がうんぬんといいますが,あの時点ですでに予兆はあったのでしょう.IT,ITともてはやされこれからは情報教育だなんていってますが,はたして小学校の生徒にコンピュータの教育をすることが有用でしょうか.大人になればいやでもコンピュータと格闘していかなくてはいけないのに,わざわざ小学校でそれをさせるべきでしょうか.コンピュータに触れたければ家で個人的にすればいい.プレステもそうでしょ.

 僕個人の意見としては,もう1度アナログの時代がやってくると思います.今はデジタル全盛ですが,人間は本来アナログな生き物です.情報技術としてデジタルはこれからも進化するだろうけど,人間の心や教育など,本質的なソフトはもっとアナログ化するべきだと思うんです.己の中に確固たるアナログな基盤があってこそ,世の中にあふれるデジタルに躍らされることなく対応できるのだと.

 義務教育の意義がとわれている今,もっとアナログ化を薦めるべきです.ボタンを押せばなんでも思い通りにバーチャルな世界を構築できるなんて,刷り込むような教育ではなく,もっと生の体験をさせるべきです.今のバーチャルリアリティは全部受身であることを忘れてはいけません.全部与えられた情報を受け止めているだけです.そうではなく能動的にいろんなことを創造し,己自身で世界を作る能力が必要となってくるでしょう.
 そうすれば,冒頭の問題に対する答えもおのずと出てくると思うのですが.

 皆さんはどう思われますか?

 



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