捕鯨だこのやろ!(Part 1!?) 


 突然ですが,捕鯨そして,NGO.前々から興味はあったのですが(参加したいとかじゃなくて),なかなか重い腰が動かなくて.21世紀はNGOの時代だともいわれています.これからはNGOがさまざまな意思決定に関与してくると.市民運動の盛り上がりが公的な意思決定に反映されるというのは,とてもすばらしいことだと思います.そうであるべきだとも思うし.

 なにぶん,素人なもんでNGOに関してえらそうなことを言うことはできません.だから,今から勉強しようと思って.何から始めたらいいんだろうという事になったときにやっぱり捕鯨問題かなぁなんて思いました.捕鯨問題についてはほんと,昔から興味は持ってました.
 正直な話,ほとんど鯨を食べたことなんてないし,おいしかった記憶もない.別に捕鯨が禁止されたからといって実害は(僕にとっては)あまりないんです.でも,日本の食文化である鯨肉,そして捕鯨というものがなぜ世界の国々から批判を受けるのかということには非常に興味があります.

 捕鯨を語るためにはまず,捕鯨の意味を理解しないといけません.以下ではごく簡単に.

 日本では,昔からツチクジラなどの小型鯨類の漁が行われていました.で,20世紀初頭から近代捕鯨と呼ばれる南氷洋などでの捕鯨が行われるようになりました.で,まあ(おきまりの)大型鯨類の乱獲をしてしまったわけで一時期クジラの数が激減し,絶滅の危機に瀕しました.
 この流れを受け1948年に国際捕鯨委員会(IWC)が設立され段階的に種ごとに商業捕鯨が禁止されていき,現在では一部の調査捕鯨(*1)を除き全面的に商業捕鯨が禁止されています.(ツチクジラなどの一部の小型鯨類はIWCの管轄外であり,日本政府の監督下で自主的に捕獲枠を定め捕獲されている.)
 それに対して,日本(日本捕鯨委員会JWC)はこの商業捕鯨の再開を求めているわけであります.

 ほんとに簡単に捕鯨の経緯を述べるとこんな感じになります.捕鯨の是非については,反捕鯨・捕鯨の両国・団体の間で激しい議論がなされ今では感情的な対立を生むまでになっています.なぜここまで,両者の対立が深まってしまったかについて触れていきたいと思います.

 世界的な捕鯨反対運動を行っているNGOはあまりにも有名なグリーンピース(*2)です.センセーショナルな行動(パフォーマンス?)でよく注目されてますよね.あとは,WWF(*3)とか.手始めに両団体のホームページをのぞいてみたのですが,ひところに比べると反捕鯨のトーンは下がっているようです.グリーンピースはトップの記事から捕鯨に関するものが格下げされているし,WWFにいたっては見当たらない.なんででしょう.
 その真意はともかくとして,これら反捕鯨団体の主張をまとめると次のようになります.

  1. クジラは知能の高い哺乳類である.よって,このような生物を殺すことは人道的に許されない.

  2. 日本の調査捕鯨は、科学に名を借りた商業行為だ.

  3. クジラは絶滅に瀕している.種の保存のためにも地球資源の過剰利用はいけない.

  4. 公開資源は国際的な了解のもとに利用すべき.捕鯨国だけでクジラを取るのはいけない.

  5. 捕鯨全部を否定しているのではない.アラスカイヌイットなどによる伝統的な生存捕鯨(*4)には反対していない.

  6. そもそも,鯨肉は嗜好品であり,今や高価な希少品になった.近代捕鯨の歴史も浅い.そこまで捕鯨にこだわる必要があるのか?

 まあ,こんなとこでしょうか.ほかにもいろんな議論がされていますが代表的なのは以上のことに集約されると思います.
 捕鯨問題は非常に奥が深く,そして対立も根深く,こんなちんけなコラム1回では語り尽くすことはできません.で,今回はその導入部分でした.

 そこで質問.あなたは捕鯨に(もっと詳しく言えば商業捕鯨の再開に)賛成?反対?どっち?

  掲示板に,意見を書いてもらえるとうれしいです.よろしく.
*1 調査捕鯨
IWCによる国際捕鯨取締条約(ICRW)の第8条第1項により,加盟国政府には自国民に対し科学調査のために鯨を捕獲する許可を与える権利が与えられており,それに基づいた鯨の捕獲調査をいう.
*2 グリーンピース
国際環境保護団体.世界でもっとも有名なNGOのひとつ.
*3 WWF
World Wide Fund for Natureの略.世界最大の自然保護団体.
*4 生存捕鯨
従来そのコミュニティが行ってきた捕鯨方法で,換金性を伴わない利用をする」場合に限って,頭数を制限して許可された捕鯨.(グリーンピースのページより抜粋)

 



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