皆さんの中でなんかの宗教に帰依している人はいますか？僕がアメリカでお世話になったホストファミリーは無宗教でほんとによかったと心から思っているんです（親戚はモルモン教やったけど）．これから書くことはあくまでも僕個人の見解なので，あんまり目くじら立てないで下さい．

　はっきりいって，僕はこの世に宗教なんかいらないと思うんです．いや，宗教こそ諸悪の根源だと思うんです．そんなこといいながら，毎年初詣に行ったり，お寺に行ってみたりしてるんやけど，まあ，これは厳密には宗教行為とはちがう気がするんです．

　僕が言っている宗教というのは，何もオウムや法の華みたいな新興宗教のみを指すわけではありません．すべての宗教です．でも，まだ自然崇拝的な宗教（というより信仰）は罪が少ないと思うんです．例えば，農耕文化で，雨に感謝したり，自然に畏敬の念を抱いたり，そういったことは人間が自然と共存するという観点から言えば，とても自然なことだと思うし，あくまでも人類は大きな自然の中の微々たる存在に過ぎないということを認識するうえで有益だとも思います．

　それに対し，唯一絶対の神を祭り上げた宗教や，特定の人物（実在，架空は問わない）をカリスマ的に持つ宗教はおかしいと思うんです．そういう対象をここでは統一して｢神｣と呼ぶことにします．神は全知全能で，神の福音はすべてが正しい．信者は神の教えにしたがって行動しなければならない．そして，大概はこういうことにいきつくんです．「神を信じるものだけが救われる」と．まともな宗教ならば，生きとし生けるものすべてを救うのがあるべき姿だと思うのですが，だいたいというか，ほとんどは排他主義なんです．

　僕はかつてアメリカ人の友達と議論したことがあるんですが，彼はモルモン教でした．彼は言うんです．すべては神のおかげで，僕たちは神の子なんだ．僕たちの目的は現世で神の教え通りに行動して，そして来世で神のもとに行くことなんだ．そこで僕たちは永遠の安らぎを与えられ，家族と永遠に暮らせるんだと．そして，モルモンだけが真のキリスト教だと．

　彼はとってもいいやつやったんですが，それを聞いただけで僕はすごいショックでした．それぞれの宗教でそれぞれが，そんなことを思ってるから世の中おかしくなるんだって．じゃあ，この世は，今は，いっときの仮の場所なんか？この世で流す汗や涙は無駄なのか？どんなに頑張って努力しても，神のお導きには勝てないのか？僕が，強欲なだけかもしれないけど，自分の為に努力して得た結果に対しては，自分を評価してあげたいし（もちろん，僕を支えてくれる人にも），そんなのは神のおかげでもなんでもない．神に感謝する暇があったら，親に感謝しろって思います．人生は自分の努力次第で，いくらでも切り開ける．そうじゃないと，生きている意味がないでしょ？

　ホストファミリーのところには僕が帰国したあとに，アラブ人の学生が入ることになったんです．ホストマザーはすごくいやがってたけど，他に受け入れ先が無いということでしぶしぶ了解していたんです．そのとき彼女は僕にすごく愚痴っていました．アラブ人（イスラム教）とアメリカ人の文化が異なることは当然だし，それはお互い理解していかないといけない．ただ，彼女にとってどんなに異端に見える行動も，宗教だからといわれると，もうなんにもいえないんです．へたに突っつくと，それこそイスラムに対するぼうとくだと言われかねない．アメリカという国は，実は宗教に対してすごくナイーブなんです．宗教をたてにされるとどうしようもない．

　宗教にはそういう側面もあるんです．排他的であると前にも述べましたが，結局妥協できないっていうことなんです．お互いを思いやって，臨機応変にするとか，そういうことがほとんどない．カトリックでは神父の妻帯は許されない，中絶は許されない．エホバでは輸血ができない．そんなのありですか？

　もちろん例外もあります．それに，他人に迷惑をかけない範囲であれば，非難しようもありません．ただ，宗教というものの根底に流れているものはいっしょだと思うんです．宗教がもとで起こった戦争や争いごとは数え切れない．だいたい唯一絶対に正しいものなんかないんです．ちがいますかね？

　いささか過激な内容になった感もしますが，まあ大目に見たって下さい．今の僕の正直な気持ちです．何か，ご意見，反論などありましたら，いつでもどうぞ．みんなはあんまり宗教について考えへんかな？日本人にはあんまりかかわりが無いからねぇ．